人間ドックのオプション検査の一つとして人気があるのが心臓ドックです。心臓ドックというのは人間ドックの検査の中でも心臓の検査に特化している検査になっています。特に日本人の死亡原因の中でも心臓を原因とする者は多数を占めていますから、人間ドックを受ける際に心臓をチェックする意味は決して小さくありません。では心臓ドックではどういった検査が行われるのかというと、最も一般的な物となるのが心電図検査です。
心電図検査では心臓の筋肉の収縮・拡張の際に発生する微弱な電流を記録して心臓の動きが確認でき、この波形に発生する変化の量やタイミングから、心臓の状態が確認できるようになっています。この心電図の確認にも運動負荷心電図とホルター型心電図があるのですが、ホルター型心電図の場合は24時間機械をつけておかなくてはなりませんから、一般的には運動負荷心電図が採用されます。この心電図検査と合わせて実施されるのがCTやMRI、胸部エコー検査です。かつてまでMRIによる心臓の検査は非常に困難とされていましたが、技術の進歩によって心臓という小さな臓器であっても状態が確認できるようになりました。
放射線を利用するCTとは異なり全く放射線を使用しないために安全性が高く、様々な医療機関で行われるようになっています。エコー検査に関しても健康被害が発生しづらく安全性の高い検査となっているのですが、これは検査を実施する技士の技術レベルによって正確さが変わってくるという点には注意が必要です。これらの検査を複合して行うことで、狭心症や不整脈といったような病気から、心不全や心筋梗塞といったような病気に至るまでリスクの管理ができるようになります。MRIなどの検査になると費用も高くなりますが、人間ドック受診の際にはぜひ検討しておきたいのが心臓ドックなのです。